スパルタ王の妻レダは、(例のごとく)輝くばかりに美しい女性でした。
そのレダのもとへ、ある時、鷲に追われた白鳥が逃れてきました。レダはその美しい白鳥を哀れに思い、自分のもとへ抱き寄せたのですが、実はこれ、(例のごとく)大神ゼウスの変身した姿。レダの美しさに惹かれたゼウスは、白鳥に姿を変えて、まんまと思いを遂げたのです。
※)ちなみに鷲はアフロディーテが変身した姿で、二人はグルだったそうですが… この神様たちは一体何なのかしらね!?
その後レダは、なんと二つの「卵」を産み落としました(ゼウスが白鳥に化けていたから、という事らしいですが、なんかなあ)。そしてその卵からは、それぞれ男の子二人と女の子二人の元気な子どもが生まれてきたのです。
男の子の名前はカストルとポルックス。
しかし、双子として生まれたこの二人には大きな違いがありました。兄カストルは人間の子どもでしたが、弟ポルックスだけが、父ゼウスの血をひく不死身の体を持っていたのです。
※)ゼウスが思いを遂げたその晩に、レダはスパルタ王の子どもも身ごもって、双子なのに神の子と人間の子になったんだそうな。そ、そんなバカな!(笑)
やがて成長した二人は、カストルは武術の、ポルックスは乗馬とボクシングの名手になりました。二人はいつも共に連れ立ち大活躍をしましたが、あるとき兄のカストルが矢を受けて死んでしまったのです。
最愛の兄を失い一人残されたポルックスは、ゼウスに、自分の不死を解き、兄カストルと共に死ねるように懇願しました。
ゼウスは深い兄弟愛に打たれ、二人を共に天に上げ、星座にしたといわれています。